「つながりの教育実践発表会」開催されました
2022年2月20日、ラスールジャパン教育カリキュラムチーム主催のイベント、「つながりの教育実践発表会」がオンラインで開催され、37名の方にご参加いただきました。
昨年度より幼稚園・小学校、また本年度より中学校で施行されている文部科学省の指導要領には、新たにSocial and Emotional Learning ( SEL-社会性と情動の学習)の理念が加えられています。このSEL の一つであるコネクション・プラクティスを提供している我々ラスールジャパンは、教育の場がより豊かで思いやりや信頼、希望に満ちたものになるために、つながりのスキルを教え学ぶことが急務であると考えています。
今回この発表会ではコネクション・プラクティスを既に導入されている教育施設の方々が、実際の教育現場でどんなことをされているのか、どんな変化を感じてらっしゃるのか、リアルなデータや生き生きとした子どもたちの写真をまじえて具体的に発表していただくことができました。
子ども同士のトラブル件数が減った、教育者同士のコミュニケーションが深まった、保護者との面談時間が短縮された等々、つながりのスキルを使うことで暴力的なコミュニケーションを抑制することができ、多くの人間関係改善に効果があることが報告されました。
プログラム
司会:きくちゆみ
(共同創設者/RFI国際アウトリーチディレクター)
野澤綾子
(教育学博士、RFI 国際教育者研修ディレクター、CP マスターラスール)
森田玄
(CP マスターラスール、ハートマストレーナー)
実践発表
(梅乃園幼稚園園長、CP ラスール)
(ふたば保育園園長、CPラスール)
(さつきやま森の学び舎園長)
(元公立中学校教諭、CPラスール)
終演後の感想
司会をされたきくちゆみさん、発案者である森田玄さん、また日本語教育カリキュラムを開講し、ここまで中心となってこられた野澤綾子さん、角崎祐美さんからイベントへの思い、終わってからのご感想をお寄せいただきました。
きくちゆみ(共同創設者/RFI国際アウトリーチディレクター)
それはワクワクする時間でした。
2月20日にオンラインで開催した「つながりの教育実践発表会」で司会をさせていただきました。登壇したのは全員ラスールやコネプラを学んだ方で、それを教育の現場で子どもたちに伝えている人たちだったことが嬉しく感慨深かったです。
私の大きな夢は、世界中の人がコネプラ(共感と洞察でつながるスキル)を当たり前に日常で使っている世界を創ることです。その小さな一歩はまず自分が学び、練習し、伝える。次の一歩は私が伝えた人たちが伝える助けをする、そしてその人たちが子ども(次世代)に伝えること、です。
2月20日は夢に向かって一歩前進した実感があります。千里の道も一歩からなので、これからも一歩一歩、毎朝コヒーランスをしながらコネプラを実践し伝えていきます。
オーガナイザーとして支えてくれた、みかどあきこさん、イニシアチブをとった森田玄さん、本物さと希望が満たされる発表をしてくれたみなさん、どうもありがとうございました。感謝でいっぱいです。
森田玄(RFIマスターラスール、ラスールジャパン共同創設者、ハートマストレーナー)
まず今回発表を快く引き受け、貴重な報告をしていただいた方々、またイベントのサポートをしていただいた方々に心からお礼を申し上げます。
ハートの叡智という宝物を子どもたちに教えながら村から村へと旅するというコスタリカの叙事詩「ラスールの物語」は、コネクション・プラクティスの原点であり、原典でもあります。
それは、つながりのスキルを次の世代に渡していく、というコネクション・プラクティスのビジョンに重なります。
そのビジョンを教育の現場で実践されている方々を招いて、コネプラのパワーとその成果を広く教育関係者に知ってもらいたいとの思いから今回のイベントを発案しました。
教育の課題は、子どもたちだけでなく、教師、保護者、他の教育関係者など大人たちも含まれます。
今回の発表会で、そのような課題が少しでも明確になり、そしてそこにコネプラの可能性が認識されたとしたら、希望と成長につながり、とても喜ばしいです。
視聴者として参加されたみなさんは、コネプラのシンプルでパワフルな効果を実感されたことと思います。まさに感動する内容でした。
初めての試みでしたが、この経験を活かして、コネプラの教育プログラムを広く認知させる企画をさらに進めていきたいと思います。
みなさんのご協力をお願いいたします。
野澤綾子(RFI国際教育者研修ディレクター)
今回の発表で、教育現場の実践の広がりにここまで繋がってきたこと、子どもたちのコヒーランスの表情、実践後の変化や学びの深まりの報告に希望・前進・本物さが満たされて、感動しました。2020年、新版日本語教育カリキュラムは一年がかりのカリキュラム・チーム・ワークによって開講となり、16講座開催、また40名を超える子ども向けカリキュラム講師が誕生し、それぞれの教育現場や地域で情熱をもって伝えて下さっている方々の想いと子ども達の様子に感謝と希望で胸が熱くなりました。
今回保育園・幼稚園・小学校・中学校と現場でのエッセンスの詰まった中身の濃い実践発表で、もっとたくさんの方に広くお知らせできたらという思いが強くなりました。今回の実践発表例以外にも過去には市の主任層教員研修、特別支援関係者の研修会、市役所子ども相談課職員研修、大学の子育て研究センター研修、学童プログラム・親子キャンプなどでの実践があります。また教育カリキュラム講座を教えたいという希望者が増え、カリキュラム講師認定コースも4月に開催など、SELの重要さの認識と共に、新年度もたくさんの教育関係者や子育て中の保護者の皆さん、そしてお子さん達に更に広がっていくことと確信しております。
アメリカでは青少年リーダーの研修、少年犯罪者の懲罰代替プログラム「修復的司法」の一環としても取り入れられるなど、実践発表会の国際版(アメリカ・コスタリカ・ドイツ・南アフリカ・日本)や、また今後はコネクション・プラクティスを学んだ子ども達による、自分たちの報告などの発表会も開いていけたら、とたくさんのアイデアが湧く発表会となりました。教育・子育てとコネクション・プラクティスにご興味のある方、ぜひカリキュラム・ページをご覧下さい。ここまで来るまでにたくさんの方のサポートやご協力を頂きましたことに心からの感謝と共に、今後ともご意見・お力添えを何卒よろしくお願い致します。
角崎祐美(CPラスール、元公立中学校英語教諭)
会の中では「つながりと共創をめざして」と題して話をしました。英語の授業における実践です。
【内容】
(1)英語で感情やニーズの言葉を少しずつ覚える
(2)一つの同じ課題で9つのグループが本人と相手の「感情とニーズ」を推測し交流する
(3)自分の課題をプロセスする
【生徒の感想】
「同じことでもさまざまな感情やニーズがあるという事がわかった」
「親と感情的にならずお互いの意見をしっかりと聞きあうことが大切だとわかった」
「有効なので 何かあったときに使いたい」
有効性としては「お互いの違いを知ること」「他人の立場に立って考える(推測)する」「落ち着いて、広い視野で考える」ことがあったと考えています。
今回の会では、
・子どもが落ち着いて過ごせていることのデータでの実証
・保護者が相談に来られた時に 常の半分の時間で納得のいく解決がなされること
・職員間でのコミュニケーションが円滑にとられお互いの理解が増すこと
なども報告され、コネクションプラクティスが有意義であることを実感しました。
また深く感銘を受けたことは、発表された先生方が、子どもと保護者そして職員の方々を大切にされており、子どもの成長をまるごと見つめ、支援しているというその真摯な姿勢でした。
ご参加いただいた皆様のご感想
イベントにご参加いただいた皆様から以下のようなご感想もいただいています。




この取り組みが草の根的に広がり、大きな波になるように願います。教育現場はもちろん、子育て中のお母さんお父さんに知っていただけたらどんなに素敵でしょう。
ご協力いただきました皆様、ご参加いただきました皆様、どうもありがとうございました。
2022年3月 みかどあきこ
